再会したイケメン幼なじみは、私を捕らえて離さない。
授業中、たまに涼真くんの視線を感じる。


もうドキドキなんてしない。


この人…あたしが過去に好きだったってだけで調子乗ってる?


からかってキスするなんて…信じられない。


無視するんだから!


今は数学の授業。


黙って聞いてみるものの、前の学校よりかなり進んでいてなにも理解できない。


ただでさえ苦手なのになぁ…初日でまさかあてられないよね?


ずっと俯いていると、やっぱりまた涼真くんの視線を感じる。


ちょっと、見ないでよ。


なんて自意識過剰?


あたしを通り越して、廊下の向こうを見ているかもしれないし…。


チラッと涼真くんの方を見れば、バッチリと目が合った。


ニコッと微笑むその余裕はなにっ?


やばい…やっぱりドキドキしてるし!


< 59 / 348 >

この作品をシェア

pagetop