濃密に溶かしてあげる

平日は結構混む小料理屋

だけど、週末はわりとゆったりめだ

カウンターの席へ腰をおろし、懲りずにまたビールを
注文する

今日は軽くね

毎日飲んだくれてるわけじゃない

目の前には大皿に盛られた何種類もの煮物たち

それを適当に頼んで、ビールで乾杯

「いっぱい食べて。ここのおばんざいはどれも
美味しいのよ」
「はい、じゃあ、いただきます」

手を合わせて、筑前煮の人参を摘まむ

「あ、本当だ。美味しいです」
「でしょ？懐かしくてね、たまに来るのよ」