ネェ、オレヲアイシテ?Ⅲ~Promise or Secrets~

「……絶対?」

「うん、大丈夫……。ほら、妖斗達が待ってるし、さっさと帰ろう!」

 まだ不安そうな顔をした光輝を宥めるかのようにそう言って、俺はまた困ったように笑った。

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『――暁斗、喧嘩はしてもいい。でもな、これだけは覚えておけ。お前にとって喧嘩は、両刃の剣だ。相手を攻撃する分には問題ないが、攻撃されたら終わりだ。……正直その体では、相手が相当弱いか、手加減でもしてくれない限り、喧嘩では一溜りもない」


 今朝、悔しそうな顔をして、空我先生はそう言った。


「……そうですか」


「……医者は神様じゃない。俺には、お前の病気を治すことはできても、完全に植物状態になる前まで回復させることはできない。……その頭の傷だって、一生治らないわけだしな」


 俺の凹んだ頭部を見下ろして、空我先生は苦虫を噛み潰したような顔をして言った。




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