A
<友哉side>
2年5組、佐武 良李(さたけ より)。
俺の初恋相手で17年間何をするにも一緒の幼馴染。
俺は今隣の席の良李ををみている。でも良李の視線は窓の外でその先には相馬 照史。
小さい頃から良李は俺にベッタリだった。
小学校までは俺にとってもドジでおっちょこちょいだからほっとけない存在なだけだった。
小学校にあがってから良李のことが欲しいと思い始め遂には好きという気持ちになった。

そんな俺の気持ちとはうらはらにクラス内で席替えをした日から良李の目にはいつもあいつが写っている。
きっとあの日から良李は相馬のことが好きなんだと思う。
本人は何も気がついていない振りをしている。最初は本当に分かっていなかった
でも最近はあいつを見かける機会が増え、目で追うようになりって自分でも気づき始めている。
そしてまた今日も体育館の屋根の上の相馬にみとれている。

そこへ先生がやってきて良李を注意した。
注意された良李はオドオドして可愛くて俺も自然と笑みが零れた。
「54ページだよ」

相馬!渡さないよ?俺の良李は
どんなに泣いて拒絶されても絶対に良李は手放さない。

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