甘いものには毒を

「あ、失礼」
短く謝りの言葉を言い、顔を見て見たが、ボロいジャケットを羽織りいかにも怪しい雰囲気を出していた。
だんだんと遠ざかっていくが、何か引っかかるような気がして健はその男を見送る。
「もー、何見てるの！？
もしかして可愛い子に目でも奪われていた！？」
ふてくされたようすはまだ治らなく、更に頬を膨らます亜美菜に対し弁解をし始めた。
なかなか納得のいかない様子で機嫌を直すのに苦労したが、何かをおごるという事で解決をした。
「私、絶対に手作りチョコ作るからね」
意気揚々にそう宣言をし、どのようなチョコにするか一人語り始めた。
それを軽く頷きながら仲良く道を歩いていく。
ようやくついた喫茶店で休憩を挟みあとで見回ろうと約束したお揃いのキーホルダーの話へと移っていた。
「どんなベアーのキーホルダーがいい？」
「亜美菜と一緒ならなんだっていいけどな？」
「もう、いつもそう言って私に決めさせるんだから」
向かいに座りあい、肘をついた状態で亜美菜は健の頬を突っつく。
軽く笑い合うところで注文したものが持ってこられた。
アイスティとココアを置いた後、店員はその場を後にしまた恋人同士の熱々な会話が始まる…はずだったが、亜美菜がココアのコップへ指を絡めた時、文字が書かれているのに気づいた。