そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐
山村さんは、東條さんの方へ歩み寄り私を指刺して言った。

「岩倉さんが急に出て来て自分の責任だから自分に矛先を向けてくれって言うんですけど」

「それは俺が許さない」

東條さんは突き刺すような冷たい視線を山村さんに向けると、有無を言わせないほどの圧力のかかった声で言い放つ。

「山村、彼女と関わるなとあれほど釘を刺しただろう?」

「でも、勝手にこの子が・・・・・・」

泣きそうな目で山村さんは東條さんを見つめる。

「全ての責任は俺にある。君がこれ以上友梨・・・・・・いや岩倉さんに関わるなら山村も困ることになる。それは何度も忠告してきたはずだ」

困ること?

「山村が岩倉さんにしたことは全て証拠として残っている。俺は少なくとも秘書として尽くしてくれていた元部下をそんな形で訴えたくはない。そこまで追い込んだのは岩倉さんではなく俺だろう?それならば気の済むまで俺に君の要望をぶつければいい」

「どこまで・・・・・・私を惨めにすればいいんですか?」

山村さんは両手で顔を塞ぐとその場にしゃがみ込む。

例え自分に火の粉が飛んできたとしても、部下の責任を自分一人でとろうとする決して揺らぐことのない彼の強い思いがそこにはあった。

あの日の一件以来ずっと彼の中にくすぶっていたものが、今火柱を上げて赤い炎を揺らしている。

東條さんは彼女のすぐ横に片膝をつき、彼女の震える肩にそっと手を置いた。

「これ以上、この話を続けることは君にとっても辛い結果をもたらすことになる。それは頭のいい山村ならわかるはずだ」

山村さんはゆっくりと顔を上げ、彼の方に視線を向けた。

その目は涙で真っ赤に腫れている。
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