帝国レストリジア


思ったよりも彼はやるようだ。
的確な判断で僕の攻撃を防いでいる。

「それで、終わりじゃないよね?」

その言葉を聞き終わるか聞き終わらないかのところで、まだ力を隠していたのかさっきとは比べものにならないぐらいの力で、押し返された。

なんて力だ。


反動で軽く後ろに吹っ飛ぶ。




そして、待ってましたと、体勢を崩したところに大剣を振り下ろしてきた。

僕は両手の剣をクロスにさせ、崩した体勢から1番重心を置きやすいところに体を持っていき、大剣を受け止める。


「君、凄いね。」

ギチギチと剣と剣が擦れ合う。
彼はまだまだ余裕があるようで、その顔には笑みまで浮かんでいる。

しかし、僕もこれで終わりじゃない。
こんなことで終わっていたら、何も始まらない。


グッと双剣に力を入れ、大剣を挟んだまま捻るように回転した。そして、その間に自分の足を彼の股の間に滑り込ませ、足を引っ掛ける。



「うおっ。」

よし、かかった。

相手が体勢を崩すのが横目で見えた。



よし、僕の勝ちだ。



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