最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
【どこに行くの?】とスマホに視線を戻してラインを送ると、彼がさっと文面を打ち込んで返事がすぐに届いた。
【内緒】
その返信を見るだけで彼を見なくても笑っているのがわかる。
"教えてくれてもいいじゃない?"とまたラインを打とうとしたら、誰かが私の肩に顎を乗せビクッとした。
だ、誰?
『へえ、お前、GW旅行するんだ?ひょっとして彼氏と?その地球のアイコンじゃあ、男か女かわかりにくいな』
その声は……た、田辺君!?
急に背後から顔を出さないでよ〜!心臓に悪い。
私が思うに、田辺君は誰に対してもパーソナルスペースが狭い。
こういう接近は珍しくないのだけど、私は彼が近づく度にビクッとしてしまう。
慌ててスマホの画面を変え、彼の方を振り返る。
アイコン、慧の顔じゃなくて良かった。
『た、田辺君、変な登場の仕方しないで。びっくりするよ』
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