最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
「東雲、悪いことは言わない。蓮見部長は止めておけ。部長と別れて俺と付き合えよ」
田辺君は真剣な眼差しで告げるが、"うん"とは言えなかった。
そんな簡単に心を切り替えることなんて出来ない。
「ごめん。私……不器用なんだ。そう簡単に誰でも好きにはなれない」
田辺君の目を見て自虐的に笑うと、彼は私の手を掴んで言った。
「……そうか。でも、俺、お前が誰かと結婚して幸せにでもならない限り諦めないから。入社した時からずっとお前が好きだったんだ」
白い歯を見せ彼は爽やかに笑う。
強いなって思った。
私が部長好きなの知っててこんな告白をしてくるんだもん。
「田辺君……ありがと」
彼の手を軽くポンと叩いて礼を言う。
私も強くならなきゃいけない。
でも、まだ頭は混乱していて気持ちの整理がつかない。
二十分程して頭痛が治まり、田辺君と一緒にオフィスに戻ると、慧からラインが届いた。
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