最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
お金をくずしに行く時間があるなら、あの人は仕事をしている……そういう人。
まだそのプレゼントを用意してくれただけでも、感謝すべきなのかもしれない。
クリスマスも父は仕事で、兄は友達の家でパーティー。
私には友達がいなかったから、家でひとり本を読んでいた。
クリスマスが子供にとってどんなに楽しいイベントか実感したことはない。
マッチ売りの少女のように想像はしたけど……クリスマスを誰かと祝うことはなかった。
でも、本が私の友達のようなもので、勉強も苦ではなかった。
頑張れば、結果が出る。
決して自慢ではないのだが、学校での成績はいつも五番以内に入っていて、親の体面を汚すことはなかった。
勉強が私の生き甲斐みたいなものだったのかもしれない。
家族で旅行した記憶はない。
< 202 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop