最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
小学生の頃兄と一緒に従兄の家に泊まりに行くことはあったけど、兄はいつも従兄と遊んでいたし、私の存在は忘れられていて、やっぱりひとりだった。
それに、親戚は皆私を腫れ物に触るかのように扱っていて辛かった。
福井に到着し、スーッと扉が開くと電車を降りる。
東京と比べると、やはり駅は閑散としていた。
「ついに帰って来たんだ」
改札を出ると、バッグからスマホを取り出して兄から連絡が来ていないか確認する。
だが、電話やメールはなかったようだ。
きっと私が送ったメッセージも見ていないのかもしれない。
病院のこともあるだろうし、交通事故なら警察との話だってある。
とりあえず、水沢さんにメールしよう。
きっと私が無事についたか気を揉んでいるはず。
【無事に福井に着きました。田辺君にもよろしく伝えておいて下さいね。東雲】
パパッと文を打って送ると、スマホをバッグにしまった。
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