最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
自分が住んでいる中野のアパートから会社までは電車を使って五十分。
いつも始業三十分前に出勤していたが、今日はさらに早く着くようにした。
会社の最寄り駅につくと、コンビニに立ち寄りサンドイッチとコーヒーを買う。
いつもはミルクたっぷりのカフェオレにするのだが、今日は自分の苦手なブラックにした。
なんというか自分を罰したい気分だったのだ。
会社に出勤すると、まだ誰もいなかった。
自席のパソコンを立ち上げている間に、オフィスのカレンダーを四月のに変え、奥にある給湯室のお湯を準備して、蓮見さんの新しいスマホと名刺を部長のデスクに置いておく。
そして、そっとなぞるようにデスクに触れた。
これから彼にどう接していけばいいのか。
あまり深く考えるな。
なるべく感情を殺して部下として一定の距離を保てばいい。
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