最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
そんな本音を口にすれば、彼は私をからかった。
「俺と寝ておいて今更何を言ってるんだか」
「あの時はただ夢中で……」
言い訳するも、自分で言ってて恥ずかしくなる。
このベッドで彼と身体を重ねたのだ。
あ~、思い出しちゃう!
「だったら、我を忘れてみようか?」
その不穏な発言に「ん?」と首を傾げる間もなく、彼がうなじにキスをしてきて、身体が熱くなる。
これは彼に食べられるパターンでは?
「ちょっ……慧」
小声で抗議したら、彼は私の背中に顔を押し付けて笑った。
「冗談だ。俺も疲れてるし、これ以上キスすると本当に抱きたくなる」
「もう!こっちは死にそうなくらいドキドキしてるのに」
クルッと身体を反転させて慧と向き合い、文句を言えば、彼は私をその逞しい胸に抱き寄せた。
「ごめん。でも、そのうち慣れるよ」
嘘だ。絶対にこんなの慣れない。
眠れないに決まってる。
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