最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
手にはコンビニ袋。
多分、もう暗いのに小さい女の子がまだひとりで公園にいるのが気になって声をかけてくれたのだろう。
私は小六だけど、背は平均より低いから見た目は小四くらいに見える。
『そう?じゃあ、僕も君が帰るまで一緒にいようかな』
彼は人懐っこい笑顔でにっこり笑う。
優しいお兄さんなんだって思った。
『でも……お兄さんを心配して待ってる人がいるでしょう?』
私がそう言うと、彼はポケットから携帯を取り出して見せた。
『大丈夫。携帯で連絡つくし。君をこのままにして帰る方が心配だよ』
『私が心配?』
そんなことを言われたのは初めてだった。
首を傾げて意外そうに聞き返せば、お兄さんは苦笑いした。
『君みたいな可愛い子を襲う悪い人が世の中にはいっぱいいるからね』
結局、その日はお兄さんに説き伏せられて、家まで送ってもらった。
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