最愛~一夜の過ちから御曹司の溺愛が始まりました~
だが、また次の日も公園へ行った。
日が暮れて子供はいなくなり、空に月が浮かんで、辺りはひっそりと静まり返る。
ひとりには慣れていて、暗くなっても怖くない。
家の中だって誰もいなくて暗いし、ここと変わらないのだ。
午後八時までいたが、今日も何も起こらなかった。
十時過ぎには兄が塾から帰ってくる。
いつものようにトボトボと家に帰って、食事をして、お風呂に入って寝るだけ。
家族とはなるべく顔を合わせない。
それが、東雲家の暗黙のルール。
朝も五時に起きて、兄とは食事の時間をずらす。
ベンチから立ち上がり、家に帰ろうとしたら、背後から何者かに口を塞がれた。
そして、ビックリしている間にベンチに押し倒される。
自分の人生に絶望していて、怖いものなんてないって思ってた。
でも、実際襲われると、恐怖しかない。
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