隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー
「ねぇ木嶋、今の日本では、3回目のデートで告白をするっていうのが主流なの?」
そう尋ねると、木嶋は少しだけうーんと考え込んだ後、答えた。
「まぁそれは定番かもしれないけど、そうじゃない人達も少なくないと思うよ。大体3回もデートが成り立ってる時点で、勝算があるパターンな気がするし」
「…そうだよね」
好きな人をそんなに沢山デートに誘える、ってところがもう、勝ち組な気がする…。
私なんて先日、人生で一番勇気を出したんじゃないかってくらいの覚悟で、やっと石川部長をお昼に誘えたくらいなのに。
というかあれはデートに入るのかな。
…私が一方的に想ってるだけだし、入らないか。
そう思って勝手に落ち込んでいると。
「西野の恋には勝算ありそうなの?」
いきなりそんな事を木嶋が聞くものだから驚いて目を剥いた。
「勝算…」
何かあった時には助けてくれる。
私の事を気遣ってくれるし、優しい言葉もかけてくれる。
嫌われてはいない、と思う。
むしろ大切にしてくれているとも。
…あくまで、部下として。
恋愛的な意味でとなると、勝算や脈なんてまるで無い。だから、やっとアプローチから頑張ってみようって前向きになれた所なのだ。