独占欲強めな同期の極甘な求愛
「都倉さん! どうしたんですか? 出張費の払い戻しですか? それなら私が」
「ううん、もう大丈夫、白鳥さんに頼んだから」
「なーんだ、残念。今度何かあった時は私に言ってくださいね!」
クネクネと体をよじりながら臣にアピールする江頭さん。臣はいつもの王子スマイルでそれを受け流していた。
「美麗、今度ゆっくり聞かせて」
そうかと思えば臣は私にヒソッと耳打ちすると、足早に出て行ってしまった。
「は、はい。お疲れさまです……」
臣が出て行った扉を見つめながらストンと腰を下ろす。あぁ最悪だ、完全に誤解された。自分で蒔いた種とはいえ、こんなことになるなんて。
というか、そもそも臣はいったい何をしに来たのだろう? 江頭さんには私に頼んだからって言ってたけど、別に何も頼まれていないし。もしかしてわざわざ昨日のことを探りに? でもいつもドライな臣がそんなことするかな。臣は今、花笑ちゃんに夢中なわけだし。
「はぁ」
なんなんだ。よくわからない。もやもやとした気分の中、私はため息を吐きながら机に突っ伏した。