イメージ通りじゃない彼と、ときめくリアル恋愛
その手の温度と安心した声に胸が鳴る。
ドキン!と弾むと急に鼓動が速まりだして、変に息苦しく感じだした。
……多分、私の脈が速くなりだしたのを、今泉君も感じ取っただろうとは思うけど__。
「…うん、まあいい」
手首を離すとそう判断し、目線を棒の先に向けながら、「あと50mlで終わるな」と確認してる。
「痛みの他に吐き気とか無いか?頭痛とか寒気とかしない?」
目線を向け直すと急にドクターモードになって問われ、いいえ…と首を横に振ると、それじゃあもう少し休んでて、と横になるよう促してくる。
「肘を曲げたままでいると点滴の液が滞るから」
真っ直ぐしておいて…と指示を受け、すごすごと大人しくベッドに横たわった。
……だけど、私は途端に気づいた。
今、この病院内には私と今泉君しかいなくて、しかも自分は病人と言えどベッドに寝ていて、しかも彼は医師とは言ってもすぐ側にいて、簡単に手が届く位置に座ってるって__。
(こ、これって…なんだかヤバくない!?)