恋は思案の外





こうでしょ、ああでしょ、と皆で口々にヒト科へ向けて言葉をおとすものの、既に無駄な時間が流れに流れてしまった訳で。

どうしたら納得するんだよ!と半ば自棄になっていたところで、転機は訪れたのだった。



『あーーー!!2位のやつが来た!!!』




半狂乱になってそう叫ぶヒト科に倣って振り向けば、確かに一生懸命走るおじさんの姿が。

て言うかそれがまず間違ってるよね。あの人2位じゃなくて1位だからね?アンタがゴーイングマイウェイしてる間にも他の参加者さんたちは必死で走っていたんだからね!?

しかしながら、茹だるような暑さに当てられてわたしの体力も底を突き始めていて。

白目をむいただけで突っ込みは遠慮しておいてあげた。やだ、わたしったら優しい。





『やべぇってマジで!俺の優勝が!!皆の衆おひかえなすって!!』

『ばっかヒト科それも意味違――ってちょっとちょっと!ゴールテープに行くな!千切れそうになってるから!おじさん悲鳴あげてるから!!』





ちょっと目を離した隙に目前に控えるゴールテープ目指してチャリを転がし始めたヒト科に愕然としてしまった。

な、な、なにやってるんだコイツ!もう!





『いろはと俺の結婚んんんんん!!!!』





――――死ぬほど恥ずかしいっての!!!






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