セカンド レディー


「お風呂あがったよ〜」


いつも通りの笑顔に切り替えると、幹部室に戻った。


みんなはご飯を食べ終えたのか、のんびり過ごしている。



「柚姫、お前服ぐらい着ろよ。つーか、髪も乾かせ」


「お水、もらってもいい?」


流牙くんの言葉を無視して、キッチンにいる陽向くんに一言声をかける。すると、「どうぞ」と丁寧にコップに入れて渡してくれた。


「ありがとう」


お礼を言って受けると、流牙くんたちが座っているソファにあたしも腰掛けた。


「柚姫、服着ろ」


さっきより圧のある一言。


「そんなことよりさ、恭平くんは?」


「一回帰った。着替え取りに行くってさ」



ということは、今晩ここに一緒に泊まるのは恭平くんということか。

初日だから余計に今晩泊まってくれるのが、恭平くんで良かったと思う。



「で」


「柚姫ちゃん、頼むから流牙の発言を無視してないでくれ」



次第に低く殺気立てた声に耐えられなくなったのか、瞬くんが間に入ってきた。



「夜は男の家やホテルで過ごしてるあたしが部屋着やラフな服持ってるわけないじゃん」


さっきまであたしですら忘れていたことだけど、当然のように答える。

すると、はぁと軽くため息をついて呆れた声で


「部屋着も買わねぇとな」


と、小さく呟いた。そして、総長室に入りしばらくすると、白いTシャツとドライヤーを持って戻ってきた。


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