セカンド レディー
「やっぱりか…」
隣でボソッと何かを呟く彼。
その声はしっかりとあたしの耳まで届いた。
「やっぱりってなに?もしかして…」
嫌な予感がする。
だってもう、それしか考えられないんだもん。
「ここ、出るんだよ」
「出るって何が!?」
「ん?「やっぱり言わないで!!」」
聞きたくないよ。
だって、出るってアレがでしょ?
「部屋変えて!絶対こんな部屋イヤ!呪われる!」
恭平くんの腕をがっちり掴み、ワーギャー騒ぐあたしを無視して、彼は部屋の明かりをつける。
一瞬で明るくなった部屋。なんの戸惑いもなくカーテンを開ける恭平くん。
「何考えてんの!?目合わせちゃダメ!3秒以上見つめ合うと…」
恭平くんの後ろの隠れ、ギュッと目をつぶる。
「あ、やっぱり…」
なんでそんな平然としてられるの!?
「ここさ、よく来るんだよ。まだ赤ちゃんだし怖くないよ」
…ん?
赤ちゃん?
…ってなんのこと?
恐る恐る目を開けると、そこにはヤモリの赤ちゃんの姿。