セカンド レディー
「か、可愛い〜」
何この小さい足!
薄ピンク色の小さな体。
くりっくりの眼。
「どこから来たの?ママはどこにいるの?もしかして迷子かな〜?」
うっとりしながらガラス越しに話しかける。けれど、当然返事は帰ってこない。
でもね、今とっても幸せ。
あたし、爬虫類って結構好きなんだよね。
「期待通りのものじゃなくて悪かったな」
「そんなこと言うなんてありえない。サイテーだよ」
怖いの知ってんじゃん。
それなのに…。
「この歳になって幽霊信じてる方がありえないっての。つーかいないもん怖がんなよ」
恭平くん、そのうち呪われるよ。
おばけ舐めてたらいつか酷い目にあうよ。
実態があるものならなんとでもなる。だけど、アイツらは違う。いるかいないか分からないからこそ余計怖いんじゃん。
あと…
「このこと誰かに話したら一生許さないから。呪ってやる」
このあたしが。
怖いものなんてあってたまるか。
「あの、天下の如月柚姫様も大変だな。早く寝ろよ」
それだけ言い残すと、彼は部屋から出ていった。