セカンド レディー



「私服初めて見たけど、やっぱ柚姫ちゃん綺麗だわ…。つーか足もウェストも全部細っ!内蔵どこだよ!?」


「制服の時と雰囲気変わるね〜。気をつけて行ってくるんだよ」


お見送りをする瞬くんと魅斗くんに「いってくるね」と伝え、ニコッと微笑む。


倉庫の外に出ると、昨日と同じ武智さんの車が停められていた。



「こんにちは」


中には先に車に乗っていた流牙くんと運転席に武智さんの姿。



「よぉ。今日も可愛いね!」


ニカッと白い歯を見せ、親指を立ててグッドポーズをした。




「買い物終わったら連絡しろよ」


繁華街の近くまで来るとお礼を言い、ぺこりと頭を下げて車から降りる。



「え、なんで霜華の総長様が!?ほんとかっこいい〜」


「あの子って如月柚姫だよね?なんで、フロストと?」


「色目使って今度は霜華と?どんだけ淫乱女なの」


「うわぁ…あんな美人見たことねぇよ。1回でいいから相手してくんねぇかな〜」



休日の昼間の繁華街は人で賑わっている。

あたしたちを見ると好き勝手言う人達。




いい歳した人が、平気で人のこと軽蔑して。

あることないこと噂して盛り上がって。

学校の中も外も同じような人ばっか。


……この世はガキみたいなやつしかいねぇのかよ。


この視線も言葉も、浴びる度に吐き気がする。
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