セカンド レディー


「柚姫、言いたいことは分かる。けど、今は出て行け」



ボソッと話す恭平くんの言葉を耳にするが、こいつも共犯者だと思うと腸が煮えくり返りそうだ。



出て行けってなに?


お前らが出ていけよっ!?

なぁんてことを思うけど、口には出さないでいた。


なんだか、今日はイラついてばかり。

本当、これ以上溜め込んでいるとどうにかなっちゃいそう。




「お邪魔しちゃったみたいでごめんなさい」



机からおりて、2人の前まで行くとにっこり微笑んで空き教室を出た。



ピシン……



誰もいない廊下に、扉を閉める音だけが虚しく響いた。

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