セカンド レディー
「無神 流牙。ここのトップだ。逆らうなよ?」
そのいちいちイラッとさせる言い方どうにかならないのかな…。なぁんてことを思ったけれど。
「…むかみ?…ってどんな字?」
そっちの方が気になった。
初めて聞いた時珍しいと思った。だけど、そんなことないのかな…?
ここら辺だと普通にいる感じ?
「有無の無に神様の神、で、無神」
さらっと説明する。
いやいや、待って?
あたしの中で嫌な予感がする。
けど、性格からして違うし、顔だってあんまり似てないし…。
…気のせい、だよね?
その予想が当たるのが怖くて、無理やり頭からかき消した。
「で、あと1人…。唯花おいで」
霜華にいる姫。
「私は、絶対に嫌だから!」
あたしに見えないのように、奥のソファの陰に隠れる彼女。
「彼女のことは知ってるから必要ないわ」
多分、ううん、絶対に。
この中の誰よりも前から知っているもの。
「昨日も思ったけど、柚姫ちゃんと唯花ちゃんって…」
何かを察する瞬くん。
「別に大したことじゃないから」
もう二度と関わることないと思っていた。だけどまさか、こんな形で…。
唯花にとってあたしはただの裏切り者。それを許してもらおうだなんて思わない。