またきっと君を好きになる。


もしも外に出て記憶がなくなってしまったらどうしよう、そう看護師さんに伝えると、紐を通した小さなカードを作ってくれた。


名前と病室が書かれていた。隣には牙をむき出しにした目の赤いクマが描かれていた。


「これ、なに……?」

「クマさんだよ!可愛いでしょう」


看護師さんは自信満々に胸を張って言った。


全然可愛くないよ。口元が血まみれじゃん。


おかしくなって思わずそう言い笑うと、看護師さんは少し驚いた顔をしたけれど、何だか嬉しそうな顔をして私の背中を励ますようにさすってくれた。



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