またきっと君を好きになる。


病院はとても大きくて、庭まで行くのに少し迷った。

外は冷たい乾いた風が吹いていて、落ち葉を踏むとぱりぱりしていた。



まるでタイムスリップしたような気分だった。

ちゃんと覚えているわけではないけれど、最後に外に出た時はお日様がぎらぎらしている季節だった気がする。


花壇のコスモスをぼんやり眺めていると、クヌギの木の下のベンチに人影を見つけた。


同じ歳くらいの男の子だった。

だれだろう?と様子を伺っていると、その人は泣いているようだった。



悲しいことがあったのかな。

それとも、大切な人が病気なんだろうか。



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