強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)
「ねー!2人とも何してるの?」
「このお酒おいしねって話してたの。それより、立夏。彼氏とはどうなの?」
前回、同い年のイケメンの彼氏が出来たと話していたので、千春はその話題をふってみた。けれど、地雷を踏んでしまったようで、彼女の表情が一気に暗くなった。
「え………まさか、もう………?」
「別れたっ!」
「ど、どうして?あんなにラブラブそうだったのに。」
「………浮気されてたの。」
「うわ………おまえも男見る目ないよな。」
「「秋文っっ!!」」
秋文の嫌みに、千春と立夏は大きな声で反論する。けれど、正論すぎて何も言い返せないのが悲しい。
「立夏。私が言える立場じゃないけど、誠実で真面目な人と付き合ってみたら?」
「………だって、好きなタイプじゃないんだもん。」
「………立夏……。」
立夏は気まずそうに、俯いてしまう。
千春は、ここで話すことではなかったと自分の言葉を反省しながら、彼女の肩に触れようとした。
けれど、その瞬間、立夏は勢いよく立ち上がったのだ。
「お風呂、借りるね。」
「う、うん……着替えとタオルは脱衣所に準備してあるけど………酔っているのに大丈夫?」
「そんなに酔ってないから。じゃあ、借りるね。」
立夏は、少し悲しげな顔を無理をして作った笑顔を見せていた。それがとても切なくて、千春は胸が苦しくなる。
逃げるように去っていく立夏を、千春は見つめていた。