強気なサッカー選手の幼馴染みが、溺愛旦那様になりました。(番外編)
次の日も、秋文は忙しかった。
朝早くから、サッカーの所属チームの事務所に行くことになった。
そのため、千春も早くに起きて朝食を作り彼を見送った。
昨日は、お風呂から上がった秋文と一緒にすぐに寝たのが、それが明け方近くだったため、2人とも寝不足気味だった。けれども、秋文は眠気も見せずに「いってくる。」と、にこやかに笑い、唇を合わせてから出掛けていった。
千春もせっかく早く起きたのだから、そのまま家事をこなして、仕事をしようとそのまま休む間もなく動き回っていた。
お昼もサンドイッチを食べながら仕事をしていた。テレビ番組やネットニュースはどんな事を言われているのか気になってはいたが、1度見てしまうと、他の事に手がつかなくなりそうだったので、見るのを止めていた。
夕方前になり、千春は夕飯の準備をしようと冷蔵庫の中身を確認した。
「んー………今日は秋文に沢山食べて頑張ってほしいし。買い出ししてこようかなぁ。」
千春は、着替えをしてからすぐに近くのスーパーまで出掛けた。
マンションの敷地から出た瞬間だった。
「あっ!!あの人じゃないですか?」
「………………えっ………。」
千春は大勢の人の視線を浴びて、驚きのあまりその場に固まってしまうと、あっという間にその人たちに囲まれてしまった。
「あの……これは……?」
「一色選手の奥さまですよね?!顔は絶対に出しませんので、インタビューお願いできませんか?」
「あ、こっちもお願いします!プライバシーは守りますよ!」
「一色選手には早く辞めて貰いたいとお考えですか?」
一気に複数の質問を浴びせられて、千春はどうしていいのか戸惑ってしまう。
昨日の会見を見て、記者が集まっているのはわかった。けれども、自宅まで来てしまっており、そして一般人でもある千春を囲んでしまうとは思ってもいなかった。