叶わなくてもいいから、恋したい。
翔輝は黙って肩を撫で続けてくれた。

泣き止んだ頃にはすっかり夜で翔輝の家族も帰ってきてるようだった。

「もう大丈夫。ありがと。」

「そうか。」

顔を見ると心がきゅーとなって、いてもたってもいられなくなった。

そして、翔輝に目一杯抱きついた。

「三年間、ずっと会いたかった。」

「俺も。」

中学時代の頃とは違う。

あの初々しさは安心へと変わっていった。

顔を上げて言った。

「今も昔もずっと大好きです。」

優しくそう言い、目を閉じた。

なんだか疲れたみたい。

もうダメ、倒れる………!

そう思った時、優しく包みこんでくれるように翔輝が支えてくれた。
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