別れても好きなひと
「あのふたり、できてんのか?」
吉川さんが言うのは目の前にいる大悟と渚。

「どうですかね?わかりません。」
私が吉川さんに笑いかけると吉川さんは私の耳元に口を近づけ「大丈夫?」と心配してくれた。

吉川さんも私たちが元夫婦ということを知ってる。

「もちろん」
そういって笑いながら私は自分に嘘つき!と心で呟く。ずきずきもやもや…する。

「今夜のメニューはなんですか?」
高橋くんからの声に私は少し救われた。

「高橋君もつくってよ、なにか。」
「無理っすよ~うちの店舗、店長と杉崎さんしか料理できないんですから。」
「渚ちゃんもできるよ」
「いやいや、去年あいつのカレーで俺じんましん出たんですから。」
高橋君の話しに思わず私が笑っていると大悟と目があった。「ん?」という顔をしたのに大悟はなにを言うわけでもなく視線を渚に戻した。
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