別れても好きなひと
スーパーの中はエアコンがきいていて寒いくらいだった。温度差に鳥肌が立つ。

「なんか顔色悪くない?具合悪い?」

「大丈夫です。ここ、寒いですね。」

「そう?」

吉川さんに笑顔を返しながら私は次々に必要なものをかごに入れていった。

レジではかなり大量の食材や飲み物の会計でかなり時間がかかった。

再び車に乗ろうとすると「莉子はこっち」大悟は私を助手席に乗せようとした。

これはダメでしょうと「なんで?なんで?」といっているうちに「塚山、こいつと席かわって」と大悟が渚に言ってしまった。渚は一瞬の間を開けてからいつもの笑顔になり「どうぞ」とこたえた。
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