別れても好きなひと
私は大悟と電話番号を交換した。それだけでまた、大悟が近くなったように感じて嬉しかった。

喜ぶ資格なんてないのに…。

その日から携帯電話を握りしめて帰った。連絡先を交換しただけでこんなにも心強い。足が軽い。



私は少し油断していた。
大悟と再会して緊張していた心が少し、大悟によってゆるめられたからかもしれない。

あの日、それを思い知る。
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