別れても好きなひと
大悟が同じ美容室に勤務してから1ヶ月。大悟は半年先まで予約がいっぱいの人気ぶり。大悟の効果で店の売り上げもあがっていた。

私はあの事件のあと、オムライスを食べてから大悟の部屋を掃除して自宅へ戻った。

その日のうちに大悟は私の家を訪ねてきて自分のマンションへ戻るよういいに来たけど、私は戻らなかった。

まだ怖い。くらい夜道も、まっくらな部屋も。男のひとも。でもいつまでも甘えたらいけないと思った。甘えてしまったら今以上に好きになってしまう。欲が出てしまう…。優しくしてくれた大悟の想いよりも、今にも弾けそうなほどに膨らんだ自分の気持ちを優先して私は大悟との距離をとっていた。
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