ヒロイン失格者達のお茶会


こう見ると中々にキャラが濃いと思うが、表面の設定が彼女達をヒロインにする要素がない。


イザベラは一国の王の娘、つまりお姫様ポジションという輝かしいポジションにも関わらず、異世界から召喚された女の子に、婚約者だったはずの王子を奪われヒロイン失格者となった。


エリカは位の高い貴族で、母親が再婚して義理の妹ができたが性格が合わず、何かといじめるようになった結果、妹がエリカの想い人の貴族と結婚ということとなりヒロイン失格者となった。


キーナは有名な魔女ではあるが、メガネに三つ編みっ子で地味子で、メガネ外したら!髪下ろしたら!可愛い〜!のパターンでもなく、地味子のままのただの陰キャというヒロイン失格者となった。


そしてこの私は、魔王側近の悪魔族の血を引く物語にはよくいそうなキャラ。


ただヒロイン要素もなくいつもスポットライトが当たるのは、勇者側のヒロインであろう。


私にそのスポットライトが当たることはまずない、悔しいけどないのよ。


ため息を再びつきながら、下ろしていた髪を耳にかける。



「ダージリオン、またあなた顔に傷作って……!」


「え、ああ……昨日まで勇者達がダンジョン攻略に来てたのよ。その相手してたら、ね」



髪で隠していたというのに、無意識で自ら晒してしまうとは少々馬鹿なことをしてしまった。


まあ、こんな傷作っている時点で女の子失格なんだろう。


剣を振り回し、火山一個破壊する女の子なんてヒロインになれるわけがない。






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