ヒロイン失格者達のお茶会
「でも、もし魔王討伐の時に異世界召喚してくれれば、イザベラの今の状況変わってるのかしら」
「……エリカのもし話が始まった」
「可能性的には有り得る話しだとは思いますけど、現状は変わらないのでその話には乗りません」
自分のカップに紅茶を注ぎながらイザベラはそっぽを向くように、目線を逸らした。
「それよりも、あなたのその意地悪な性格を直したらどうです?」
「ふん!あたしは生まれつきこういう性格なんだから仕方ないじゃない……!少しは色々と努力はしたつもり、なんだからっ」
「……それこそ妹さんに優しくしてたら状況は変わっていると思うけど」
「キーナまであたしのこと悪く言おうっていうわけ?!」
色々とストレスは溜まりに溜まっているものだから、過激な悪口バトルは毎度の事だ。
こうやって素の自分を受け入れてくれるのは、ここしかないのをみんな知っている。
だから、ヒロイン達に負けたくないからお互いを刺激しながら頑張ろうとしている。
「そういやここ最近異世界召喚じゃなくて、悪役令嬢への転生が流行してるらしいよ」
荒れるとまとまりなくギャーギャーになる未来が簡単に予想がつくので、簡単に話を反らせる話題をポンッと投げると、エリカが私に向かって驚いた顔を向けた。