一途彼女×S系彼氏
「と、とりあえず
場所変えよう。」


蓮が私の肩に触れた時、
反射的にその手を振り払った。


「…行くから、触らないで。」


他の女の子に触れた手で
私に触れないで。
あれほど大好きだった手が、
今は汚く感じた。


この時、”悲しい”よりも
”呆れた”と言う感情の方が
強かったのかもしれない。


人気のない場所へ移動した私達三人は
異様な空気に包まれた。
それもそうだよね。
彼氏彼女に浮気相手って…。
とんでもない3ショットだねこれ。


誰も口を開かない中、
ここまで歩いてくる間に
冷静さを取り戻した私が
話を切り出した。


「…それで、浮気してるって事で
いいんだよね?」


私の質問にどっちも
答えようとしなかった。
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