初めて差した希望の光
曇り空に差す1本の光

突然の訪問

部屋中に漂う消毒液の匂い。
窓を見れば死ぬほど見た景色。

ガラッ

「おはよう。優羽ちゃん。」
「おはようございます...。」
昔から私をよく気にかけてくれる看護師さんが今日も予定を伝えに来た。
「今日は検査の日だから、早めに準備してね。」
「・・・はい。」

パタン……

「・・・。」
今日から新学期くらいかな?普通だったら今頃私も・・・。
また検査か。私なんて検査しても意味無いのにね。どうせなら今すぐ死んだほうがマシ。そう言いながら長い間切ってない少しカールのかかった長い黒髪を鏡を見ながらとかす。
「・・・長い間髪切ってないな・・・。」
「切ったって意味無いか。どうせ死んじゃうんだし...。」
お母さんやお父さん達は私を悲しませないように隠してるつもりなのだろうけど、聞いちゃったもん。あと3ヶ月しか生きれないって。そんなの聞いてまだ治るかもなんて希望持つ方がバカだよね。そう言いながら心臓を軽く叩く。
「この心臓が元気だったらな...。なんて」
神様ってホントに不公平だ。どうして私がこんな思いしなきゃ行けないの?そう言いながら見慣れた景色を眺める。
「私って生きる意味あるのかな...」

『んなのあるに決まってんだろ。』

「え?」
そう言いながら振り返るとそこには私よりも10cmくらい背が高く、綺麗な蜂蜜色の髪の毛、まるで太陽かのように微笑む子がドアにもたれて立っていた。
「あなたは・・・誰?」
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