うそつきペン
いろんなことが同時進行で起こっていた。


隆二の中にペンの使用方法と使用者であった者たちの記憶が入り込み、夕子の中からペンの記憶が消えて行く。


その過程がすべて終わると同時に隆二は窓へ向けて駆け出していた。


「隆二!!」


大切なものを思い出しかけていたあたしは隆二へとかけよる。


だけど、少し遅かった。


「こんなものがあるから、いけないんだ!!」


隆二が叫びながらペンを窓の外へと放り投げてしまったのだった……。
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