彼女のセカンドライフ
それから半年が経ち、あれ以来USBの中を、ずっと見られないでいた凪美子だったが、机の引き出しにしまわれていたそれを何気に取り出し、開いてみた。
すると、「運命の磁石」 と名付けれられたファイルを見つけ、それを開いた。
読み進めて行くと、自分達の出会いが運命であること、どちらかが、磁界を放ち引き寄せ合った、また、顔を見ようとすると消えてしまう、夢の中の女性が、凪美子だったことに気付いた、など、現世では、互いの人生を歩んだ形のスタートだったが、それでも出会えた。
「一方的で、ちょっとイってる奴って思われてるかもしれない、でも、僕は運命だと信じてる。例え凪美さんが、振り向いてくれなくても、僕は遠くで、見守ると決めた」
そう綴られ、締め括られていた。
「もう、武尊君ったら、やっとあなたを……ここまで気持ち落ち着けたのに!」
目頭が熱くなった。