彼女のセカンドライフ
「僕のことばっかり聞くんですね? 蓮見さんのことも教えてくだいよ」
自分の話を遮り、武尊は凪美子の企業の動機を聞いた。
「きっかけ――そうね、離婚がきっかけかしら?」
凪美子は包み隠さず、自分のことを話し始めた。
「私ね、大学卒業してすぐに、付き合ってた元旦那と結婚したの。すぐに子供も出来て、娘、息子二人、英君と変わらないくらいの子がいるのね?」
記憶を辿るように話し始めた。
始めは、若さで何でも乗り切れたと言う。
いつしか考え方のズレが生じ、子供達が成人したのを機に、元夫と離婚したと言う。
それから、四十過ぎた時、元々興味があった、アパレル関係の仕事を、本格的に学び、また、それ関連の仕事に就いて、ノウハウを覚えて行ったと、凪美子は答えた。