別れの曲
 それは、いつもの演奏が、誰かに聴かせるためではなく、「NOTES」の雰囲気を作るためになされていたからだ、と彼は思った。この「別れの曲」は、弾いて欲しいと乞われて演奏したものだった。その結果、たくさんの人に満足をしてもらえた。それは、彼が、彼の音楽でもって、その人たちの心に触れたということでもあった。そういう音楽のカタチが、これほどまでの「喜び」もたらしてくれるものだということを、そのとき、彼は初めて知ったのだった。そして、それを教えてくれたのが、「別れの曲」をリクエストした彼女だった。
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