ラヴ・ミー・テンダー
両手で頭を抱えそうになっていた時、
「佃さん!?」

その声が聞こえたので視線を向けると、武智さんだった。

「た、武智さん!」

武智さんは私の後ろを追いかけていたブギーマンの存在に気づいた。

「えっ…!?」

そこからの彼の行動は早かった。

「このヤロー!」

ブギーマンに飛び蹴りを食らわせたかと思ったら、あっという間に地面に押さえつけてしまった。

「す、すごい…」

あまりにも華麗なそのスピードに私はそれだけしか呟くことができなかった。

「警察です!

不審者が出たとの通報を受けてきたのですが」

「こいつです、ここにいます」

現れたおまわりさんが声をかけてきたので、武智さんは自分の下で押さえつけているブギーマンを指差した。
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