慟哭、禁断の果てに
優しさの裏側
カランカランと可愛らしい音が、その向こう側の
マスターへ知らせてくれる

「いらっしゃい」

少し白髪の混ざった顎髭とそれに見合った同色の髪
垂れ下がった目と穏やかな声

「珍しくマスターひとり?」
「コウなら今買い出しだよ」
「そっかー」

和宏さんは、ここの常連で、そのコウさんと同級生
らしい。

いつもは一人でプラッと来るんだって話してくれた

自分の好きな場所だから、舞ちゃんを連れて来たかった
んだと、悪びれもなく甘いことを言う

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