先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

目線の先には、松崎さん。

確かあの子、入社当時山片課長と置田秘書の仲を邪魔したとか、奪い合ったとか色々噂があったわね。
大人しそうな顔して結構悪女?なんて思ってたけど、こっちに移動してきてそんな人柄じゃないってすぐわかった。前の総務じゃかなりいじめにあってたらしいし、私もこれでも噂やいじめに泣かされてきたことがあるから、彼女にはちょっと同情する。

二人は付き合ってる?
でも今までそんな素振り見せたこと無いわね。
なんだか松崎さんに興味が湧いた。

これ見よがしに合コンに誘ってみたけど案の定断られて、それを見ていた山片課長にどやされた。
それでもめげずに誘ったら今度は凄い形相でこちらを睨んでくる。
さすがにヤバいと思ってスゴスゴ引き上げたけど、やっぱり松崎さんを気に掛けてる様子。
なんだか面白くなくて気にすることも止めた。
私はもう少し合コンに頼ることにするわ…。

そんな事も忘れかけてた頃、
就業時間も過ぎてるリフレッシュルームから声が聞こえてなんとなく立ち止まった。

「あなた山片課長と付き合ってるらしいけどほんとなの?」

「え、あの…」

「付き合えるわけ無いわよね?あれだけ悪い噂になったのに」

「私達山片課長のことが好きなの。あなた関係ないなら私達が告白して付き合ってもいいわよね?」

「………」

中には3人のほとんど顔の知らない女性と松崎さん。
松崎さんは何も言えず震えてるみたい。

「………」

「あなた達、何よってたかって松崎さんいじめてるの?」

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