先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

あれから2週間が過ぎ、
手首も腫れが引きあまり痛まなくなった。
包帯も取れ、今はサポーターを着けている。俺的にはもう無くてもいいと思ってるんだが花笑に、

「先生に外してもいいって言われるまで絶対外しちゃダメ!」

と、釘を刺されている。
よっぽど信用無いらしい…。まあ、何でもないと言い張った俺も悪いんだが。

もう風呂も一人で入れるが、はじめの頃は花笑はTシャツ短パン姿で俺の頭や背中を洗ってくれていた。
初日に一緒に風呂に入った時にイタズラが過ぎ、あれ以来一緒の入浴もキス以上のこともお預けになった。

「治るまで絶対ダメ!」

花笑の機嫌が悪くなるのも困るから大人しく聞いていたが、いつでもすぐ傍にいるのに何も出来ないのはなかなかキツイ。
手首が腫れてた時は着替えも花笑に手伝ってもらって、ワイシャツのボタンを一つ一つ丁寧に外していく姿を上から見下ろして何度押し倒そうと思ったか…。これは何の拷問だ?と高ぶる気持ちを押さえながら悶々とした日々を送っていた。
花笑はそんな俺の葛藤も露知らず、にっこり笑って手伝ってくれる。

…はぁ、サポーターが早く取れないかと、手を動かす。

「いてっ」

やっぱまだダメか…。

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