先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

夜、
たまに行くおしゃれなダイニングバーに二人で来た。
飲もうと言ったけど私は今日はオレンジジュースで我慢する。
飲み潰れても迎えに来てくれる人がいないからね。
相変わらず知佳ちゃんはガンガン飲んでる。

「最近どう?日野くんとは。たまに飲みに行ったりしてるよね。」

それに仕事中も何かと日野くんが知佳ちゃんを気に掛けてる様子。ちょっといい雰囲気じゃないかな?と思ってる。

「はい。二人で飲みに行ったりしてます。会話も弾んで楽しんですけど…」

「ん?」

何か困ったことがあるのかな?と次の言葉を待つ。

「やっぱり好きだなって思うことが沢山ありすぎて告白したくなっちゃいます」

下を向いて肩を落とす知佳ちゃん。

「告白、しちゃえばいいんじゃない?」

「いえっ、そんな簡単にはできません!もし、告白してフラれたら立ち直れないし、せっかく飲み友達にまで上がれたのにそれも壊れてしまうのは怖いです…だから今はこのままでもいいかなって…」

それに、日野さんは他に想う人がいるかも知れない…。と小さく呟いた声は私には聞こえなかった。
吹っ切るようにジントニックを豪快に飲んでおかわりを頼んでいる。

「知佳ちゃんのタイミングがあるから、私が何か言ってもしょうがないよね…。私は思ったことはすぐ言うタイプだから、航さんには何回も好きって言っちゃったなぁ~…」

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