先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

インターフォンを鳴らし、出てきたお義母さん。

「まあ!いらっしゃい!航君お久しぶりねぇ!立派になって!」

出てきた途端、上機嫌に捲し立てるお母さんにタジタジになりながら挨拶をする。

「お久しぶりです。ご無沙汰してます。」

「そんな固い挨拶いいから!さ、上がって。お父さんもお待ちかねだから!」

頭を下げる俺に、入るよう陽気に促し先にリビングに入っていく。
花笑と思わず目を合わせ苦笑いし、後に続いた。
リビングに入るとソファーに座っているお父さん。

「花笑、ちょっと手伝って!」

「はぁい」

花笑がお母さんに呼ばれキッチンに入っていく。
一人残され所在無さげになってしまった俺に、お義父さんが声をかけた。

「突っ立ってないで座りたまえ」

「あ、はい。失礼します」

「・・・・」

前のソファーに座り、目を合わせるも眼鏡を光らせ無言のお義父さん。
やっぱり苦手だ・・・。

「ご無沙汰してます。今日はお時間をとって下さりありがとうございます。」

< 169 / 272 >

この作品をシェア

pagetop