先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~

今までの経緯を話した後、ふと思った。

さっき見かけた日野さんらしき人…。
花笑さんの嬉しそうな顔。
待ち合わせは日野さんで、今まさに二人はデート中じゃないかと。

「はぁ~やっぱりそうなのかな?諦めないといけないのかなぁ?」

情けないため息をはいて俯く。

「まだそうとは限らないんじゃない?知佳の聞き間違いかもしれないし、コウくん=日野晃平じゃないかもしれないし」

「ううっ、でも~他にコウのつく名前の人いないし」

「…ねえ、他の二人の名前ってどう書くの?」

顎の下に指を添えながら突然聞いてくる里美に疑問に思いながらもスマホで二人の名前を出してみる。

「ええっと、山片課長が 航ワタル、置田くんが光宏ミツヒロ。確かこう書くはず」

……

少しの沈黙の後、

「はは~ん」

と里美が何か閃いたようだ。

「気づいちゃった!」

「何!何?なんなの?!」

乗り出す私をどうどうと押さえながら、スマホの文字を指差す

「見て、航ワタルも光宏ミツヒロの光ミツもコウって読めるよ!」

確かに、

日野さん以外の2人の名前もコウって読める。

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