先輩の恋人 ~花曇りのち晴れ渡る花笑み~
航said
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実家に帰ってから数週間。
昨日はクリスマスイブで、平日だったが恋人同士はそれぞれ思い思いのイブの夜を楽しんだだろう。
俺と花笑も、ホテルのフレンチを楽しみその後は…。

…まあ、それはさて置き、今は会議中。
営業部の年度末最後の会議で会議室には営業の7人全員と、部長。そして隣には議事録を付けるために花笑がいる。

親に挨拶に行った後、部長に花笑と二人で結婚することを報告し、営業部の皆には朝礼で部長から報告された。
既に俺たちの仲に気付いてた連中はおお~っと驚きながらも祝福と激励が飛んだ。
花笑は皆の様子にホッとして嬉しそうに笑って涙ぐんでいた。

「山片さん、ちょっと早いんじゃないんですか~?」

とニヤつく日野に揶揄されたが、早く花笑は俺のものだとふれ回らないと、俺も安心できないと思っていたから「お前も早く決断したらどうだ?」と言ってやった。
日野は「いやっ俺は~~~」としらっと逃げて行きやがった。
あいつはまだ迷ってるようだ。今度じっくり話を聞いてやる。

会議が煮詰まって暫しの休憩がとられた。
その時震えたスマホを何気なく見ると海斗からだった。

「ぷっ…」

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